脱メチル化阻害剤使用中の真菌感染は大体10%くらい起こるし、初診時から好中球が低い人たちで多い。

脱メチル化阻害剤使用中の真菌感染は大体10%くらい起こるし、初診時から好中球が低い人たちで多い。

どーも、プロテイン飲むと便秘します、ちゃんまんです。

今日はHMAs、つまりアザシチジンやデシタビン使用中の真菌感染についての報告です。

Am J Hematol. 2020;95:792–798. 
背景

糸状菌による侵襲性真菌感染症(IFI)は、急性骨髄性白血病(AML)および骨髄異形成症候群(MDS)患者の重大な罹患率および死亡率の原因となっている。脱メチル化阻害剤(HMAs)の投与を受けている患者は多様であるため、臨床医が患者の感染リスクを正確に評価することは困難である。HMAs投与後のIFIの発生率に関する文献としては、アザシチジンに関するいくつかの研究に限られている。このレトロスペクティブ研究の目的は、米国の大規模総合がんセンターでHMA治療を受けたAML/MDS患者におけるIFIの発生率を評価することとした。副次的な評価項目として、IFIの潜在的な危険因子を特定をサブグループ解析により実施した。

対象

2010年10月1日から2017年10月1日までにアザシチジンとデシタビンを開始された患者の電子カルテからデータを算出した。HMAを少なくとも2サイクル受けたAML、R-IPSSでint1以上のMDS、慢性骨髄単球性白血病の患者203名を対象とした。

元々650人が対象となったが、158人がデータ不足、2サイクル以上使用できなかったのが138人、また82人が治療開始時に糸状菌活性のある真菌治療もしくは予防投与をされていたため除外されている。

年齢中央値は69歳、AMLは51%だった。アザシチジン使用が71%。フルコナゾールを予防的に投与されていたのは11%だった。

結果

European Organization for Research and Treatment of Cancer / Invasive Fun-gal Infections Cooperative Groupの基準で定義されたIFIの発生率は9.6%で、HMAs後に20件のIFIが診断されました(proven 3例,probable 4例, possible 13例 )。

リスク

IFIを発症した11人の患者は、HMAを開始した時点ですでに好中球が減少していた。感染症の大部分(17/20)は最初の4サイクルで発生していた。

結論

このような発生率を考慮すると、治療開始時に好中球減少が見られる患者には、カビを用いた予防が有用と考えられる。

読後感

意外にノーガードでも10%くらいしかかからないんだなという印象です。

真菌感染の論文は検査の曖昧性などから曖昧な論文になりがち。以前時施設で移植後の真菌感染のデータを調べたとき大変だったことを思い出しました。

R2と書いてアールスクエア。再発難治性低悪性度リンパ腫に対してリツキシマブにレナリドミドを追加すると成績が向上した話。

どーも、直明けは飲むと決めている、ちゃんまんです。

おうちでタコパ (たこ焼きパーティー)、レシピは宮迫が出しているたこ焼き店「みやたこ」を参照。うまし。

今日はちょっと古めですがレブラミド+リツキシマブ=R2の試験の報告です。

AUGMENT: A Phase III Study of Lenalidomide Plus Rituximab Versus Placebo Plus Rituximab in Relapsed or Refractory Indolent Lymphoma 

J Clin Oncol. 2019 May 10;37(14):1188-1199. 

目的

 低悪性度非ホジキンリンパ腫の患者は、first line治療の免疫化学療法によく反応する。再発時には、単剤のリツキシマブを投与するのが一般的である。免疫調整剤であるレナリドミドがリツキシマブの活性を高めることを示唆するデータがある。

方法

 再発・難治性の濾胞性または辺縁帯リンパ腫患者を対象に、レナリドミド+リツキシマブとプラセボ+リツキシマブの第Ⅲ相多施設共同無作為化試験を実施した。患者は2014/2/13-2017/2/26までに登録され、15か国、97で実施された。全ての患者は一つ以上の化学療法・免疫療法に対する治療歴があるが、リツキシマブに不応性ではないと判断されている。患者はレナリドミドまたはプラセボを12サイクル投与され、リツキシマブは1サイクル目と2~5サイクル目の1日目に週1回、4週間投与されました。主要評価項目は、独立した画像評価による無増悪生存率でした。

患者・副作用・効果

合計358名の患者がレナリドミド+リツキシマブ(n=178)またはプラセボ+リツキシマブ(n=180)に無作為に割り付けられた。

全体で濾胞性リンパ腫が82%, MZLが18%であった。84%がリツキシマブの治療歴を有し、前治療が1レジメンの患者は56%, 4レジメン以上が12%だった。最終治療から2年経過していない患者は51%であり、不応性の患者は16%だった。

感染症(63%対49%)、好中球減少(58%対23%)、皮膚反応(32%対12%)は、レナリドミドとリツキシマブの併用でより多く見られました。グレード 3 または 4 の好中球減少 (50% 対 13%) および白血球減少 (7% vs 2%) はレナリドミド+リツキシマブ併用群で高かったが、その他のグレード 3 または 4 の有害事象で 5%以上の差があったものはなかった。血栓症は差がなかった。(2% vs 1%)

無増悪生存期間は、レナリドミド+リツキシマブ併用群とプラセボ+リツキシマブ併用群で有意に改善し、ハザード比は0.46(95%CI、0.34~0.62、P , 0.001)、期間中央値はそれぞれ14.1カ月(95%CI、11.4~16.7カ月)に対して39.4カ月(95%CI、22.9カ月~到達せず)であった。

PFS 中央値が40ヶ月というのはいい成績なのだろう。

ORRは78%と53%で有意にレナリドミド追加群が良好であった、奏効持続期間(DOR)は36.6moと21.7moで有意にレナリドミド追加群が良好であった。

ちなみにOSは以下。

OS 再発難治といってもそこはFLや、MZLである。長期生存が望めるというグラフである。

結論 

レナリドミドは、再発した低悪性度リンパ腫患者におけるリツキシマブの有効性を改善し、安全性も許容範囲内であった。

ちなみに効果判定を主治医判断でも中央審査でもほぼ同様の傾向となっており、リツキサン+レナリドミドは割りに良い成績だ。という論調でした。

読後感

AUGMENTというのが増強でリツキシマブ+レブラミド療法の呼び方がR2 ( R square)というのはなんかセンス感じます。

フルアロという概念

どーも、新しい季節なもんで再開します、ちゃんまんです。

とりあえず論文読んでいこうと思います。

今回はフルアロ (full allo)。

通常同種造血幹細胞移植においてはドナーと患者のHLAを併せて重症GVHDを予防します。しかし逆にHLAを外してGVL効果を引き出し、難治性の造血器疾患に立ち向かうのがハプロ移植(haplo移植)です。

近年PTCy法というGVHD予防法が開発されhaplo移植といえば比較的安全な印象がありますが、がっつりGVL効果を引き出すhaplo移植(勝負haploなどという)もまだまだ現役で難治性の造血器疾患にはトライされています。

全部一致してても重症GVHDが2割弱出てしまうのに半分も不一致ならさらに激しくGVHDが出てしまいます。フルアロとは半分どころかHLA全部違うドナーからの移植です。

どひゃー、です。

しかし移植後再発の様な本当にあとがない場合は考慮できるのではないかという報告です。

もちろん兵庫医科大学からです。

Bone Marrow Transplant. 2021 Jan;56(1):70-83. 

背景

HLAハプロタイプ一致の造血幹細胞移植(HSCT)、すなわち、1-HLAハプロタイプミスマッチの家族ドナーからの造血幹細胞移植は、移植後の再発に対する2回目の移植としても用いられている。造血幹細胞移植におけるHLAミスマッチの限界はハプロ一体型なのか?ハプロ一体型以外の家族ドナーからのHLA不一致造血幹細胞移植の可能性を探るため、2-HLA-ハプロタイプ不一致造血幹細胞移植(2-haplo-mismatch HSCT)の前方視的第I/II相試験を実施しました。

患者・ドナー・前処置・GHVD予防

移植後に再発した患者30名が登録されました。内訳は急性骨髄性白血病:18名、急性リンパ性白血病:11名、非ホジキンリンパ腫:1名でした。

2回目から6回目の移植として2ハプロミスマッチ造血幹細胞移植が行われました。ドナーは、兄弟姉妹(n=12)、いとこ(n=16)、またいとこ(n=2)でした。

前処置はフルダラビン、シタラビン、メルファラン、低容量ATG(1.35mg/kg・2days)、3Gyの全身照射が行われました。

移植片対宿主病(GVHD)の予防には、タクロリムス、メチルプレドニゾロン(day-2~0は500mg, それ以後は2mg/kg, day21から漸減)、ミコフェノール酸モフェチルが使用されました。

結果

早期に死亡した1例を除き、すべての患者が好中球の移植を達成しました。グレードII-IVおよびIII-IVの急性GVHDの累積発生率は,それぞれ36.7%と16.7%でした。

1年後の全生存率、再発率、非再発率はそれぞれ30.1%、38.9%、44.3%でした。

前回の移植後にCR持続期間が長い方がOSは良い、つまり移植に対して感受性が残っているということだろうか

再発率4割、治療関連死4割、の図

結論

移植後の再発の予後の悪さを考慮すると、2-haplo-mismatch造血幹細胞移植は、2回目または3回目の移植の際の代替オプションとなり得る。

読後感

すごい、その一言。

移植前の尿酸が高ければ再発しやすいし、感染症死しやすい。なぜかはわからないが。

どーも、最近下痢ピー、ちゃんまんです。

今日はこれ

Association of uric acid levels before start of conditioning with mortality after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation – a prospective, non-interventional study of the EBMT Transplant Complication Working Party

Haematologica 2020.105(7);1977-1983

EBMTからの報告。

ヨーロッパ10か国の年間50例以上移植をしている20施設で前向きに実施。

2014年から2018年までに血縁末梢血ドナーから移植を受けた患者が対象。

386人登録し、前処置前の尿酸を測定した。日にちの中央値は3日前であった。(0−22日)

カットオフを4.3とした。

多変量解析でOS, PFS, NRMは高尿酸血症と相関があった。

再発率も高かったみたいです。

さらに感染症の発症率は変わらなかったが感染症による死亡は高尿酸血症と関連があった。

いやー、不思議ですね。メカニズムは分かりませんと本文にもあります。

腫瘍量を反映しているのか、高炎症反応状態を表しているのか。炎症反応と関連があるならGVHDと関連がありそうですがそれはないようです。

面白い研究です。こういうのをしてみたい。

MRDが検出されるPh陽性ALLはGVHDが出た方が良い

どーも、実は教えるの好き、ちゃんまんです。

本日はこれ。

Impact of graft-versus-host disease and graft-versus-leukemia effect based on minimal residual disease in Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia

British Journal of Haematology, 2020, 190, 84–92

Ph陽性急性リンパ性白血病(ALL)は治癒のためには造血幹細胞移植が必要とされています。つまりGVL効果が治癒には必要ということですが、一方でGVL効果はあまりないのではないかとも言われています。

そしてALLにおいて微小残存病変(MRD)は強力な予後因子であり、移植前のMRD残存は予後不良であると言われています。その予後不良の集団はGVHDが出るとどうなるのでしょう。というのが趣旨です。

日本のTRUMPのレジストリデータを使った報告です。

2005年から2017年までTKIで治療され、CR1で移植を実施したPh+ALL1022人を解析、MRD測定がないものは除外されています。

791人(77.4%)がMRD-、231人がMRD+でした。背景に大きな差はない印象です。

まずはOSなど

全体、MRD-, MRD+でグループ分けをし、GVHDの有無で層別化してます。

 4yOS4y 再発率4y非再発死亡
全体68.30%18.90%21.40%
MRD陰性71.30%15.60%20.80%
MRD陽性57.30%30.60%23.50%

やはりMRDは強力な予後因子です。

急性GVHDとの関連

続いてそれぞれのグループで急性GVHDの有無で層別化しました。

全体とMRD-ではGradeⅢ-ⅣのGVHDが出てしまうとOSが下がってしまってます。しかしMRD陽性のグループではGradeⅢ-ⅣのGVHDが出てしまっていてもOSに差はありませんでした。

また、どのグループでもGradeⅠ-ⅡのGVHDはOSに関係ありませんでした。

どうしてでしょうか。

結局どのグループでもGradeⅢ-ⅣのGVHDが出てしまうとNRMに悪影響を与えます。しかしMRD+のグループでは再発率が下がるので結局生存率には差が出ないということです。

あれ?全体でも再発率が下がっているではないかと。おそらく全体ではMRD陰性の患者が多いためMRD陰性の傾向に近くなってしまったのでしょう。

慢性GVHD

どのグループでも慢性GVHDは生存率と関連はありませんでした。

しかし全体と、MRD陽性のグループにおいて再発率は低かったようです。

で?

ということでPh陽性ALLにおいうては陽性の場合はGradeⅢ-ⅣのGVHDがあるとMRD陰性のように死亡率が上がらない。という結果でした。

Ph陽性ALLにおいてはMRD陽性は強力な予後因子であり、移植においては重症急性GVHDは死亡率が上がる恐ろしい合併症である。

また、OSに影響を与えない軽症GVHDが出ても再発率が変わらないということはやはりGVL効果はあまり期待できない。

という再確認ができた研究ですかね。

しかしPh陽性ALLはTKIの出現で劇的に成績が良くなってます。TRUMPでは移植後TKIのデータがなかったと思うのでその辺りは気になるところです。

DLBCLにおいて中間PETはSUVmaxの減少が大事

どーも、このブログのターゲットがわからない、ちゃんまんです。

今の感じだと血液内科3-6年目くらいですか?ニッチすぎるしそれにしては情報が薄い。PVも低い。

ただ、目的としては読んだ論文のアウトプットですからとりあえず読んでいきます。

Prognostic value of interim FDG-PET in diffuse large cell lymphoma: results from the CALGB 50303 Clinical Trial

Blood. 2020;135(25):2224-2234

アメリカはCALGBからの報告です。R-CHOP vs DA-EPOCHの試験にオプションで参加できるPETの臨床試験です。

R-CHOPvsDA-EPOCH-Rの臨床試験には524人が参加してましたが、この追加試験には169人が参加しました。11人を除外し159人を解析対象とした。

PETのタイミングは治療前、2コース後、治療終了後です。

評価は5ポイントスケールと病変のなかで一番高いSUV値の変動で行いました。

結果です。5ポイントスケールによる中間PETの評価はPFS, OS共に関連しませんでした。

しかし連続変数としてのSUVの減少率は単変量解析なら有意にPFSとOSに関連していました。

なのでSUVの減少率が66%をカットオフにしたところPFSでは有意差はつきませんでしたがOSでは有意差がつきました。

66%は既報を参考にしています。

ちょっと驚いたことに治療終了後のPETは5ポイントスケールでの評価では有意差がつかなかったようです。

感想

中間PETは5ポイントスケールだとあまり意味がないが減少率が大事とのこと、でもそれもそんなに強い予後予測因子にはならなさそう。中間PETの意義やいかに。

DLBCLではR-CHOPがDA-EPOCH-Rより優れていることを証明してしまった、ていう話

どーも、職業は大学院生、ちゃんまんです。

そうなんです。今30歳過ぎなんですけど血液内科医として働きつつも学生として学費を納めているのです。ただ、まだ学生らしい勉強(研究)はしていないので、時間が余っているのです。

ただ、ちょうど奥さん(かわいい)が妊娠しましてその手伝いができたのでよしとしてます。

今日はこれ。

CHOP as Frontline Therapy for Diffuse Large B-Cell Lymphoma: Clinical Outcomes of the Phase III Intergroup Trial Alliance/CALGB 50303

J Clin Oncol 37:1790-1799.

アメリカのAlliance/CALGBからDLBCLに対してR-CHOPとDA-EPOCH-Rの治療成績の比較を第三相試験で行った研究です。

DLBCLはR-CHOPで治る、といっても何割かが難治性です。そこをなんとかするために、使う抗がん剤は似ていますが①持続であること②投与量を個人ごとにあげることが出来る、という特徴のDA-EPOCH-Rに白羽の矢が立ちました。

いくつかの先行研究でR-CHOPよりいいかも、という結果もありまして万を辞して第三相が始まりました。

しかし結局題名の通りDA-EPOCH-RではRCHOPに勝てませんでした。

では、以下内容です。

患者

対象は2005年-2013年にStageⅡ以上のDLBCLと診断された方、PMBLとIVLも含まれていました。マルクや病理組織でindolentリンパ腫が検出された場合は除外されています。CNS病変,HIV関連も除外されています。

491人が解析対象となっています。それらをRCHOP群とDA-EPOCH-R群に1:1に分けられました。ちなみに節外病変が2つ以上、骨髄浸潤あり、LDH上昇例はCNS予防としてMTXの髄注を実施されています。

全体でステージ3/4が74%を占めており、19%が70歳以上、2.6%が80歳以上でした。

MYCとかについて

MYCのFISHは249(50.7%)で実施されその中でダブルヒットと判明した3例は除外されました。

ダブルエクスプレッサーかどうかはMYC>40%, BCL2>50%で定義し、270人検査され42人が陽性だったようです。

結果

PFSは同等でありました。

 R-CHOP(n=250)DA-EPOCH-R(n=241)
完遂率88%82%
ORR88%86.70%
2yPFS75.50%78.90%
3yPFS72%75.80%
5yPFS66%68%
CNS再発4%3.30%

こうみると1年くらいでの再発が多くてそれ以降はなだらかに再発していくという感じでしょうか。再発時期による特徴などは気になるところです。

じゃあOSはどうだ?

見事に同じような曲線ですね。解析が出た際の落胆が聞こえてくるようです。

合併症はこちら。

 R-CHOP(n=250)DA-EPOCH-R(n=241)p
grade3-5 event78.20%98.20%<0.001
grade3-4血液毒性73.70%97.50%<0.001
grade3-4非血液毒性43.20%72.20%<0.001
二次生白血病1人2人

まーそうでしょうね。EPOCH結構強いですもん。

ちなみにサブグループでの解析も行われていますが、どのグループもDA-EPOCH-Rの優位性を証明できませんでした。

IPI scoreが悪い人たちはもしかしたらいいかも?いいえ統計学的には同じです。

といったところでRCHOPには勝てず、でした。discussionでは以前のstudyではS2-4のDLBCLorPMBLでは3yPFSが61%であったことを考えると今回のコホートは全体的に良好な患者が多かったのであろうか、などありました。

読後

やはりDLBCLにおいてはRCHOPに勝つレジメンを探すというより、RCHOPで治らない群を探す、ということが重要なのでしょう。あとはRCHOPより毒性が低いが効果が同等なレジメンもしくは薬剤の検索ですかね。

患者数が血液疾患の中では多いだけにそのような研究が待たれるところです。なんならそのような研究をしたいところです。

FISHだけではダブルヒットDLBCLを見逃すかもしれない

どーも、めっちゃ字が汚いです、ちゃんまんです。

今日はこれ。

The double-hit signature identifies double-hit diffuse large B-cell lymphoma with genetic events cryptic to FISH

Blood. 2019;134(18):1528-1532

BloodのBrief Reportです。

以前にカナダからダブルヒットシグネーチャーなるダブルヒットの遺伝子学的分類の報告の副次的な報告です。

その報告で使用した検体においてFISHでMYCとBCL2を検索しダブルヒットと診断できなかった20例のDHITsigを対象とした。

Whole gene sequence(WGS)で6例がHGBCLと診断できた。CNVsを組み合わせると13/20がMYCとBCL2両方の遺伝子イベントを検出できた。

DHITsigではない検体も使うとどうなのだろうかというところが気になるところですね。

そして予後もきになるところです。

検査によって検出できるかどうかが変わるということは層別化する時は当たり前ですけど検査の種類に注目が必要なのですね。

多発性骨髄腫でMRDが注目されていますが、フローでは検出されてNGSでは検出されない、そしてその逆もある、と言った具合です。

物事を正しく理解するのはやはり大事だと思うのですよね。

ちなみにこれ、春休みに家でやることリストをあげたときのメモです。

正しくはToDoです。DoDoではありません。

del(17p)を初発時に有する骨髄腫の特徴

どーも、勉強ブログになりつつあるこのページの先を憂う、ちゃんまんです。

今日は骨髄腫です。

Natural history of multiple myeloma with de novo del(17p)

Lakshman et al. Blood Cancer Journal (2019)9:32

以前の講演会のノートを見返していたところ気になる記述があったので読んでみよう、というコーナー。

汚い、、

気になる記述とはt(4;14)で骨が少ないというところ、どうなんでしょう。タイトル的にはそんな記述なさそうですが読んでみましょう。

Mayoクリニックのデータベースを使用した後ろ向き研究。2004年-2016年に多発性骨髄腫と診断されてFISHを実施された患者が対象、ALアミロイドーシスや形質細胞性白血病は除外されています。

del(17p)が陽性の患者は310人、t(4;14), t(14;16), t(14;29)をで定義された高リスク染色体異常を有する患者は79人、それ以外の患者541人を解析対象とした。それぞれdel(17p)群、高リスク群、スタンダードリスク群とした。

スタンダード群と比べてdel(17p)群は骨病変が多く、形質細胞増殖割合は高い、LDHも高い、高リスク転座の保有率も高いとのこと。

PFSに関してはdel(17p)群は高リスク群と同等だが、スタンダード群よりは不良であった。しかしOSに関しては高リスク群より優位に不良であった。

再発しても巻き返しがつく高リスク群と再発してしまうとそのまま歯止めが効かないdel(17p)群というところでしょうか。

サブグループ解析においてdel(17p)群とHRT群でpfsに違いはなく、 OSでは若年、ISSⅠ/Ⅱ、PI含有レジメン、早期SCTがある方が高リスク群と比べるとdel(17p)群で不良であった。

del(17p)群においてその中でもISSⅢ,LDH上昇、高リスク染色体異常ありでPFS、OSが優位に不良であった。

骨髄中の形質細胞におけるdel(17p)陽性率は関係なさそうでした。

ということで初診時からdel(17p)を有する骨髄腫の予後は不良であり、さらなる高リスク染色体異常を有することや、LDHの上昇がその中でも病態に関わるのではないかということですかね。

やはりdel(17p)はt(4;14)やt(14;16)とは一味違うってことでしょうか。髄外腫瘤とか、血小板減少とかとも関係あったかと思いますがなかなか難しい病態ですね。今のところなかなか有効な治療方針も定まっておらずブレークスルーが待たれる分野と思います。

って全然t(4;14)の話ないやないかーい

低リスクMDSに対する鉄キレート療法

どーも、ビールの銘柄的には黒ラベルが好きです、ちゃんまんです。

今日は難しかった。

Impact of treatment with iron chelation therapy in patients with lower-risk myelodysplastic syndromes participating in the European MDS registry

Haematologica 2020 Volume 105(3):640-651

ヨーロッパのレジストリから抽出した研究。

対象は16か国、142センター、2200人、2007-2017年のデータ。

IPSSでlowからintemidiate1の患者。

キレートで治療したのは224人、中央継続期間は13ヶ月。

結局鉄キレート療法を実施した患者がOSいいよ、赤血球も39%の患者で増えたよ、という結果。

やや詳細に解説

バイアスを避けるために2つの解析法で検討していました。

① 15単位以上、月1回以上輸血もしくはフェリチン1000以上のどれかに対してキレートを開始した患者をキレート群とし、どれかがあっても開始していない群を非キレート群として比較。

基準に適合した患者はキレート群が199人、非キレート群が490人。OSはキレート群は単変量でHR0.57(95%IC:0.45-0.73)、年齢、性別、合併症、PS、輸血回数、IPSS-R、輸血頻度、環状鉄芽球で調整するとHR 0.5(95%CI;0.34-0.74)

キレート剤によってはOSに変化がないものも存在した。

②propensity match scoreで調整。

流行り手法。キレート群を抜粋し、背景を年齢、性別、PS、輸血頻度、フェリチン、MDS合併症index、PS、IPSS-Rをスコア化して近い患者層を抽出した。

キレート群197人にマッチしたのは591人であった。単変量はHR0.7(95%CI;0.51-0.95)で調整後は0.42(95%CI;0.27-0.63)であった。因子は年齢、性別、合併症、PS、輸血頻度、輸血回数、IPSS-R、環状鉄芽球、MDS合併症index、QOLで調整した。

調整前
調整後

理由としては不安定血清鉄が悪さするかもしれないがわからない、って感じでした。

OSのカーブも時間依存共変量解析なるOS eventとキレート療法開始となったものを同時に変数とするような解析法でした。非キレート群がキレート療法を使用すると、キレート群に入るのでそれをうまくする解析するやり方みたいです。なので図の下にあるnumber at riskのキレート群で時間が経つと増えているのでしょう。

難解

あと、調整したOS曲線的なものが引けるのですね、勉強になりました。単変量しかできないと思っていました。

ちなみに腎機能悪化の程度に差はなかったそうです。

現在日本ではエクジェイドとジャドニュが使われていると思います。昔はエクジェイドしかありませんでした。寝る前にプロテインのシェーカーみたいなんで溶かして飲んでもらうのですけど飲みにくいみたいです。

そこで飲みやすさを売りにしたエクジェイドが登場して飲みやすくなったけど内服量が増えて逆に腎機能低下が増えた、という噂が流れましたが嘘だったのでしょうね。

コンプラ危ない話?いいえ、噂です。