どーも、ビールの銘柄的には黒ラベルが好きです、ちゃんまんです。
今日は難しかった。
Impact of treatment with iron chelation therapy in patients with lower-risk myelodysplastic syndromes participating in the European MDS registry
Haematologica 2020 Volume 105(3):640-651
ヨーロッパのレジストリから抽出した研究。
対象は16か国、142センター、2200人、2007-2017年のデータ。
IPSSでlowからintemidiate1の患者。
キレートで治療したのは224人、中央継続期間は13ヶ月。
結局鉄キレート療法を実施した患者がOSいいよ、赤血球も39%の患者で増えたよ、という結果。
やや詳細に解説
バイアスを避けるために2つの解析法で検討していました。
① 15単位以上、月1回以上輸血もしくはフェリチン1000以上のどれかに対してキレートを開始した患者をキレート群とし、どれかがあっても開始していない群を非キレート群として比較。
基準に適合した患者はキレート群が199人、非キレート群が490人。OSはキレート群は単変量でHR0.57(95%IC:0.45-0.73)、年齢、性別、合併症、PS、輸血回数、IPSS-R、輸血頻度、環状鉄芽球で調整するとHR 0.5(95%CI;0.34-0.74)
キレート剤によってはOSに変化がないものも存在した。
②propensity match scoreで調整。
流行り手法。キレート群を抜粋し、背景を年齢、性別、PS、輸血頻度、フェリチン、MDS合併症index、PS、IPSS-Rをスコア化して近い患者層を抽出した。
キレート群197人にマッチしたのは591人であった。単変量はHR0.7(95%CI;0.51-0.95)で調整後は0.42(95%CI;0.27-0.63)であった。因子は年齢、性別、合併症、PS、輸血頻度、輸血回数、IPSS-R、環状鉄芽球、MDS合併症index、QOLで調整した。
理由としては不安定血清鉄が悪さするかもしれないがわからない、って感じでした。
OSのカーブも時間依存共変量解析なるOS eventとキレート療法開始となったものを同時に変数とするような解析法でした。非キレート群がキレート療法を使用すると、キレート群に入るのでそれをうまくする解析するやり方みたいです。なので図の下にあるnumber at riskのキレート群で時間が経つと増えているのでしょう。
あと、調整したOS曲線的なものが引けるのですね、勉強になりました。単変量しかできないと思っていました。
ちなみに腎機能悪化の程度に差はなかったそうです。
現在日本ではエクジェイドとジャドニュが使われていると思います。昔はエクジェイドしかありませんでした。寝る前にプロテインのシェーカーみたいなんで溶かして飲んでもらうのですけど飲みにくいみたいです。
そこで飲みやすさを売りにしたエクジェイドが登場して飲みやすくなったけど内服量が増えて逆に腎機能低下が増えた、という噂が流れましたが嘘だったのでしょうね。
コンプラ危ない話?いいえ、噂です。