寝れないってことはホラーだったのか?

このブログはある時に今まで読んだり観たりした物語を全く忘れていて、でもそれがとても大切であった気がしたという体験から備忘録的に色々触れたものを書いていこうというスタイルとなっている。

きっかけはこの4月から時間が空いたし久しぶりに本でも読んでみるかと思い立ち、人気の本をインターネッツで検索していたところ、砂漠がヒットし、ポチろうとした時です。

「いや本屋で買うか、本屋好きやし」

と思い直してポチらずに近いうちに本屋へいこうと心に決めたのです。

しかしその翌日くらいに奥さんから

「私も本読もかな、なんかお薦めして」

とリクエストをもらったので久しぶりに自分の本棚を見たらなんと砂漠があるではありませんか。

そうです。インターネッツではなんとあらすじまで見て、面白そうだなと思ったのに実は読んでいたのです。そしてポチらずに済んだ。

結局内容や読後感を全く思い出せずに今に至るのですが、とてももったいないお化けやな、ということでこのブログを再開したのです。

の、はずが溜まってしまった。

溜まるということはすなわち触れた物語や考え方から時間が経っており、忘れてしまい始めているということなのです。

溜まるとかくとザ○メンみたいです。

すみません。

とりあえずこれ。

同期にお薦めされた本。

「読んだ後になんやこれって眠られへんかったし読んでみて」

とのこと。

一穂ミチのスモールワールズ。

これは自分用のブログなのでネタバレお構いなしに書いていきます。

6つの短編小説で、それぞれは同じ世界で、全ての物語で淡い絶望感のある空気があるって感じです。

最初のネオンテトラは子供が欲しくい主婦が結局は子供(正確には姪)に子供を産ませる話、不妊というぬめりとした題材で若干サイコテイストの始まり。

次の魔王のきかんは弟がでかい姉に振り回せれて、ヤリマンの濡れ衣を着た女の子とくっつきそうになるが、実は姉の夫がALS(多分)で離婚を告げられていて、最後には勇気を出していくって話になってちょっと希望が湧くストーリー。

ほいでその次のピクニックは変に被害的な考えになってしまったり、変わらない夫にイライラしたりと赤ちゃんを育てる母親のリアルなしんどさの描写から、事故で祖母が赤ちゃんを死なせてしまう。その加害者のしんどさとか信じたいしんどさを乗り越えて立ち直る話、で終わらず、実は祖母が殺していたし、その娘も妹を殺している。ただ記憶を無くしているので立ち直っている、というオチ。ちゃんちゃん、ってなるかぁ。

この辺から淡々としたストーリー展開と登場人物の悲劇の乖離が混乱を招くシステムだなと、面白い書き方をする人だなと。

花うたは全編手紙で進みます。兄を殺された妹と殺した加害者。おそらく加害者は境界性知的障害をモデルにしていると思われる。素直であるが先のことを考えられない感じ。最初はひらがなで途中から漢字になり、賢くなった感が出ていて、面白いなと思っていたところが途中からまたひらがなになってそれも頭打ったかなんかでなるほど字を書くのは高次機能か、とか思っていたら最後にはその二人が結婚。境界性知的障害の男の健気な描写がユースケサンタマリアのアルジャーノンの花束に少しかぶります。あの主人公がハルでなんだか親近感が湧いていたのを思い出すのでありました。
次は人生を諦めている男に疎遠であった娘が性転換をする前に会いにくるという話。なんて日だ!

最後は虐待などの家庭環境が悪い二人の話。

といった感じで社会的弱者や妊婦や不妊みたいな残酷な現実にはっきりしない絶望がさらに上乗せされるテイストの短編集でした。

扱っているテーマは僕らが突然陥りうる環境であり、知らん間に陥っている人たちがある環境であり、一歩間違えたらと思わすそのシステムはホラーかも。

一穂だけに、、、、

いっぽね

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