どーも、風邪ひいてます、ちゃんまんです。
先日貧血と血小板減少、白血球数増加を契機にMDSと診断された患者さんがいました。白血球増加になんとなく違和感がありましたので調べてみました。
再生不良性貧血や骨髄異形成症候群など骨髄疾患で不明点が出たら以下のサイトで調べること多いです。アップデートもあっておすすめです。
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業
特発性㐀血障害に関する調査研究班のHP
http://zoketsushogaihan.umin.jp/resources.html
骨髄異形成症候群の資料を拝借しますと400症例から算出した抹消血所見がありました。
白血球数は1500~10500/μL程度が多いということですね。その患者さんは13000/μL以上だったのでなんとなく感覚は正しかったのかなというところです。
病態としては2パターン考えられるのかなと思います。
一つはFLT3やRasなどのドライバー変異が加わっている状況です。時系列で見ると徐々に白血球数が増加しておりその可能性はありそうです。末梢血では芽球ではなく幼弱な白血球がメインで増えてましたし、骨髄中の芽球は20%以下で、leukemic changeではない印象です。
もう一つは線維化を伴うMDSやMDS/MPN-UのようにMPN要素があるパターンです。上記ダウンロード資料でも線維化を伴うMDSについては言及しており骨髄線維症との鑑別を要するとの記載があります。
また、MDS/MPN-UはMDSとMPNのどちらの特徴も併せ持つ、しかしどちらにも属せない、という疾患概念です。診断基準としては
①臨床所見、検査所見および形態学的にMDSのうちのいずれかの病型と合致すること
②骨髄増殖の所見を認めること(巨核球の増加を伴った血小板増加(45万/μl以上)もしくは白血球数>
13,000/μl、巨脾)
③de novoであり、MDS、MPN、MDS/MPNのどのカテゴリーにも一致しないこと
が挙げられています。http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/index.html 参照(大阪市立大学血液腫瘍制御部HP)
頻度はかなりまれですが予後は悪いとされています。
どちらが正しいかはわかりませんが遺伝子の情報がさらなる鑑別を進めてくれそうですが網羅的な解析はできておりません。今後はもう少し簡易的に調べることができるようになるのでしょうか。ちなみに患者さんはビダーザを開始され、若年者であることから移植に向けての準備も予定されています。
では、グラシアス。