どーも、勉強ブログになりつつあるこのページの先を憂う、ちゃんまんです。
今日は骨髄腫です。
Natural history of multiple myeloma with de novo del(17p)
Lakshman et al. Blood Cancer Journal (2019)9:32
以前の講演会のノートを見返していたところ気になる記述があったので読んでみよう、というコーナー。
汚い、、
気になる記述とはt(4;14)で骨が少ないというところ、どうなんでしょう。タイトル的にはそんな記述なさそうですが読んでみましょう。
Mayoクリニックのデータベースを使用した後ろ向き研究。2004年-2016年に多発性骨髄腫と診断されてFISHを実施された患者が対象、ALアミロイドーシスや形質細胞性白血病は除外されています。
del(17p)が陽性の患者は310人、t(4;14), t(14;16), t(14;29)をで定義された高リスク染色体異常を有する患者は79人、それ以外の患者541人を解析対象とした。それぞれdel(17p)群、高リスク群、スタンダードリスク群とした。
スタンダード群と比べてdel(17p)群は骨病変が多く、形質細胞増殖割合は高い、LDHも高い、高リスク転座の保有率も高いとのこと。
PFSに関してはdel(17p)群は高リスク群と同等だが、スタンダード群よりは不良であった。しかしOSに関しては高リスク群より優位に不良であった。
再発しても巻き返しがつく高リスク群と再発してしまうとそのまま歯止めが効かないdel(17p)群というところでしょうか。
サブグループ解析においてdel(17p)群とHRT群でpfsに違いはなく、 OSでは若年、ISSⅠ/Ⅱ、PI含有レジメン、早期SCTがある方が高リスク群と比べるとdel(17p)群で不良であった。
del(17p)群においてその中でもISSⅢ,LDH上昇、高リスク染色体異常ありでPFS、OSが優位に不良であった。
骨髄中の形質細胞におけるdel(17p)陽性率は関係なさそうでした。
ということで初診時からdel(17p)を有する骨髄腫の予後は不良であり、さらなる高リスク染色体異常を有することや、LDHの上昇がその中でも病態に関わるのではないかということですかね。
やはりdel(17p)はt(4;14)やt(14;16)とは一味違うってことでしょうか。髄外腫瘤とか、血小板減少とかとも関係あったかと思いますがなかなか難しい病態ですね。今のところなかなか有効な治療方針も定まっておらずブレークスルーが待たれる分野と思います。
って全然t(4;14)の話ないやないかーい