肝障害を伴っている急性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植の前処置についての考察

どーも、久しぶりに更新します、ちゃんまんです。

前の自分のページを読み返すととても読みにくくて落ち込みました。しかし続けることでうまくなると思い直して再開です。

ここで症例提示です。

高リスクMDS(ほぼAML)の患者。年齢は60代でありCR1での移植を考えています。C型肝炎に対する治療歴があり肝機能に難あり(ChEは150程度)。

CR1獲得したとして前処置はどうしましょう。ドナーソースはおそらく子供からのHaplo移植を考えています。RICとしてもBUは肝障害から使いにくいですかね、、、

骨髄球系腫瘍の移植の前処置はFlu+Bu2などブスルファン含有レジメン!と思っていたのですがそうでもなさそうです。トランプのデータからAMLに対してですがFlu+Melもありという報告がありましたので紹介します。

Reduced-intensity stem cell transplantation for acute myeloid leukemia with fludarabine-based conditioning with intravenous busulfan versus melphalan

Bone Marrow Transplantation (2020) 55:1955–1965

症例はトランプに登録された初回alloに対してRICを実施された患者が対象。

2001年から2010年までということもありレジメンはFlu+経口BU, Flu+静注BU, Flu+Melの3つの違いの検討でした。

昔は内服だったのですね。(リンクは2006年日経メディカルの静注ブスルフェクス登場の記事)

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200611/501745.html

解析対象は1221人、Flu+経口BU, Flu+静注BU, Flu+Melを実施された症例数はそれぞれ444, 347, 430でした。意外とFlu+Melでやっている人が多いなと思いました。

基本はFlu+ivBUとFlu+Melの比較です。

結果はOSは変わらないが、Flu+Melは再発率が低く、NRMが高い、というものでした。GVHDもFlr+Melで多かったです。

移植学会、もとい日本造血免疫治療法学会のガイドラインでもあまり骨髄系腫瘍だからBUを使うという記載はありませんでした。

以下引用

ただ、SOS(最近はVODでなくSOSが主流みたいです)の観点から考えるとPYCyならBUでもMelでもダブルアルキレーターになってしまうのが難点です。さらにC型肝炎の既往はSOSのリスクなのでとりあえずBUは避けた方が良さそうです。

奥が深いです。では。